雨が地表から浸透し地下水になり地中を流れ、川や海に出るまでどれ位の時間がかかるのか?

降水が浸透して湧出するまでの時間は滞留時間または地下水年代といいます。地下水は主に帯水層中の間隙や岩石の割れ目を流れています。その流れる速さ、滞留時間は、その地域の地層や地質構造、岩石の間隙の大きさやこう結作用(砂を砂岩に変える作用)の進み具合、地下水の経路によって様々に変化し、比較的透水性の大きい地層や岩石の中でさえ、数オ-ダーの違いがあります。

地下水も河川水と同じように高い所から低い所へ流れます。その速さは、1年間に数メートルから数百メートルであり、地形や砂や石の粒度によって大きく変わります。河川水に比較すると非常に遅いことが分かります。

地表に降った雨などが地下に浸透し、直下の帯水層に到達する時間は、せいぜい数日から1か月程度ですが、帯水層を流動する速度は遅く、上記のように1キロメートル流れるのに、何年もかかります。つまり、地下水が涵養されてから流出するまでの時間は地下水流域の地層や岩石の性質により異なりますが、数ヶ月~数百年、さらに地下数百メートル以深に存在する地下水はもっと長い時間かかります。山地にて定常的に湧水が流れ出ているとすると、年単位での時間を経て湧出しているものと思われます。

今日は様々な同位体を用いた滞留時間の研究がなされており、一例として紹介しますが、トリチウム(半減期12.3年の水素の同位体)などを使った研究では神奈川県の秦野盆地(更新世の扇状地砂礫層)の地下水は7~8年、富士山の山麓(約1万年前の溶岩流)の湧水は数年~十数年かかるとされています。

  

【関連ある質問】

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