植樹は地下水にどのような影響を及ぼしますか?

植物は地中の水を吸い上げて葉から蒸散させるので、その分、地中に浸透した降雨が地下深くへ浸み込み地下水となる量が減ってしまうように思えます。ところが植生の無い裸地であっても、地表面から浸透した降雨のうち浅い深度の水(土壌水)は蒸発により失われます。地表面が乾燥すると、より深い深度の水が徐々に地表面へ移動し蒸発してしまいます。
裸地では降雨が地表面から浸透しにくく、特に斜面であれば、降雨は地表面から浸透することなく斜面を流れ去ってしまうことが多いと思います。それに比べて植物は、落葉により降雨を浸透しやすい土壌を作り、根が地下深くへ降雨を運ぶ道(穴)を作り、動物・昆虫と共に生態系を形成することによって森林を育むことができます。
森林のもつ保水力・涵養能は「緑のダム」という有名な言葉があるように広く知られており、近年、環境教育の一環として、多くの市民、学童などが参加して森林保護活動が行われ、企業なども結局的に取り組んでいます。
森林の涵養能力などについて具体的な効果、特に数値として示された例は少ないですが、下記が参考になるかもしれませんので、ご紹介します。

日本学術会議から農林水産大臣への答申(2001年11月)「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について」
(日本学術会議のホームページから全文を読むことができます)
  この報告書の付表に、洪水緩和→1,107,121m3/sec(→代替法で5兆5,700億円/年)、水資源貯留→1,864.25億m3/年(→代替法で8兆7,400億円/年)が具体的な数値として示されています。
事例として、愛知県にある東京大学生態水文学研究所などから調査報告があり、1920年代から80年以上にわたって極めて長期の観測などを行っています。ホームページ等を通じて直接ご質問されて下さい。

なお、市民参加の森林における活動の一例として静岡県三島市の「森の小さなダムづくり」があります。
森林のもつ地下水涵養能力を高めるために、箱根西麓の森林において、放置された人工林の間伐材を有効利用し、丸太を2~3段積み上げ、杭で固定した「小さなダム」を階段状に何段も設置する事業であり、地下水涵養機能を高めるほか、洪水やや土砂の流出を抑制する効果も期待されています。
植樹による地下水への影響(水量、水質、ほか色々な項目)を一般論で語ることは難しいと思いますが、植物は地下水涵養における大切な要素の一つであると言うことができると思います。

 

【関連ある質問】

地中の浅い深度に灌漑した水は必ず地下水へ辿りつきますか?

 

 

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