地下水が何年前の水か(雨として降ってから何年経っているか)を調べる方法は?

地下水の年齢の一般的な測定方法は、対象とする試料(水)の中に含まれるトリチウムと呼ばれる放射性物質の濃度を測定します。トリチウムは、宇宙線の働きによって大気中で生成する天燃の放射性物質です。生成したトリチウムは大気中で雨や雪に溶け込み、降水として地上の降り、さらに地下に浸透して地下水になります。トリチウムの半減期は約13年で、半分が放射能をもたない物質に変化します。言い換えると、雨が地上に降って、地下に浸透してから、13年後にはトリチウム濃度が半分になります。26年後には4分の1になります。このように、地下水のトリチウム濃度を測定して、現在の雨のトリチウム濃度と比較することにより、地下水の年齢を知ることができます。
ただ残念なことに、この数10年、100年前から現在まで雨のトリチウム濃度は、過去の原爆実験の影響で一定でありません。このことが、正確な年齢を出すことを困難にしています。従って、現実には30年前、40年前といったはっきりとした年齢を出すことはできません。結果は「50年より前の古い水」のような表現になります。
測定は水に含まれるトリチウムのもつ微弱な放射能であり、測定機関も限られてしまいます。財団法人放射線計測協会(茨城県東海村)などにお問い合わせ下さい。

また近年、トリチウムに代わり大気中のフロン類が地下水の年代を測る指標として利用されています。フロン類は化学的に極めて安定な化合物であり、かん養された時の濃度が、地下水中でも維持されるために指標として有効です。しかし1960年ごろから2000年にかけてほぼ直線的に増加してきた大気中のフロン類の濃度は、温暖化効果ガスやオゾン層破壊物質として製造禁止になったため、ゆるやかな減少傾向にあり、現在では指標としての有効性は低下しています。また、地下水の採取後に空気からのフロン類が溶け込み、正確なフロン類の測定に問題があることも指摘されています。

 

 

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