地下水のモニタリング井戸を掘削する際に気を付けることは何ですか?

井戸(地下水)をモニタリングする目的は、「量」と「質(水質)」、いずれか、場合によっては両方になります。モニタリング井戸の掘削場所(どこに掘るか?)、掘削深度(深さは?正しくは、スクリーンの位置)を決めることは目的とする成果を得るためには、極めて重要な問題です。
「量」をモニタリングする場合、水位観測が容易にできる井戸の構造も合わせて考慮する必要があります。水位は静水位の観測が前提になるので、揚水ポンプなどを設置しないことが望ましいです。
これに対して、「質」をモニタリングするには、逆に、ポンプを設置して、井戸の中の水を十分置き換えてから採水する必要があります。井戸に溜まった水では、目的とする成分等の測定が正しくできません。
特定の工場などのように、汚染源が狭い範囲の人為的な汚染状況をモニタリングする場合、さらに考慮すべき問題があります。モニタリング井戸の掘削は、周辺地域の地下水の流動方向の「下流」側、場合によっては、比較のために汚染が発生していないと考えられる「上流」側にもう一本を掘削します。しかし、これでは一般的には正しくモニターすることはできないことも多くの汚染事例が示しています。局所的な地下水の流れは、広域の地下水の流動方向と大きく異なることもしばしば起こり、まれに、逆の流れになっていることもあります。このため、掘削する1本の井戸がモニターする最適な位置であるか判断することは、掘削後にモニターを開始してからでも非常に難しい問題です。これを、少しでも回避するため、複数本の井戸を掘削することが一般的です。
もう一つ、先にも示しましたが掘削する井戸の構造(掘削深度、スクリーンの位置)も重要です。掘削前に予備知識として、周辺の地質構造、地下水の帯水状況を把握しておく必要があります。
いずれにしても限られた予算の中で、これらをクリアーすることは非常に難しい問題です。モニタリングから、目的とする十分な成果を得るには、モニタリングの、頻度、観測(測定)項目を考えることも重要です。このため、地下水の汚染状況を把握するためには、周辺の多くの既存の井戸を利用してモニタリングすることが一般的に行われています。汚染濃度の経時的な推移と合わせて汚染の広がりもモニタリングできます。

 

 

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