江戸時代(安政4年)にあった水の重さで水質検査する方法とはどのような仕組みですか?

水の密度(比重)は溶存成分の多い天然水、例えば海水、温泉水(鉱泉水)、石油かん水などの性状を示す指標(水質)の一つとして現在でも日常的に測定されています。測定に使用する「比重びん」は市販されており、水質検査を行う機関ではどこにでも常備されています。0.1mgの桁まで化学天秤を使用して一定量の水試料を恒温条件下で秤量します。
江戸時代の測定法の詳細はよく分かりませんが、化学分析が未発達な江戸時代では、密度は天然水の性状(水質)を示す重要な指標だった思います。各地で湧水などの密度を測定して、温泉水の発見に利用したのかも知れません。正確さでは現在と全く比較はできません。
いわゆる天然水の化学分析が始まったのは、明治期に入ってからです。日本で化学に相当する言葉は、江戸後期の蘭学者である宇田川榕庵が近代化学を日本に紹介した「舎密開宗」の中でオランダ語 Chemieを「舎密」と訳したことに始まります。この中で「分析」という言葉も初めて使われています。化学という言葉は、その後、明治中期に川本公民によって中国から入った言葉です。明治期の温泉分析書をみると、「格魯兒那篤留謨」(クロールナトリウム、留の字はニンベンが付きます)などの項目を目にすることができます。なお、宇田川榕庵が江戸期に鉱泉分析を行ったという記録がありますが詳細は不明です。
余談ですが、溶存成分の多い海水の比重や、化学分析は1872年から76年にかけて世界一周の航海を行ったイギリスの調査船(軍艦)チャレンジャー6世の調査結果がよく知られています。日本では明治初期に当たりますが、その正確さには今でも驚かされます。

 

 

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