沖縄古代の水の信仰

沖縄古代の水の信仰

大井 浩太郎 著

縄文教出版社 刊(初版1973)

紹介コメント

著者は沖縄で教員をされていた方で「池間島民俗誌」「沖縄の地誌」などの著書があり、沖縄県史編集委員もされ沖縄の民俗についての専門家です。表題の通り、水の信仰についた内容で、冒頭に「沖縄の人々は古来水の民であった。水の恩恵をどこよりも多く受けている人々は、水を神聖なものとして信仰し、世間では人事の吉凶をすべて水の信仰によって解決をしようとした。・・・」と記述されています。沖縄には井戸や泉が多くあり、本文中にも「水の恩徳を仰ぐことの深かった素朴な住民は、泉の出現を神の御利益に結びつけて考えようとした。こうして先祖は初め川の流れや、地下水の自然な露頭によって飲料を得ていて、水の得やすい場所を探して集まり住んだであろうことは、特に泉の場合に考えられる」と地下水と生活の密接な関係が述べられ、地名についても伊豆味(泉)、大見謝(オオンジヤー大泉)、大宜味(オジミ大泉)、大井(オオンジヤー)、泉川(イズンジヤー)などの泉や井がついたものが多いことも紹介されています。

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