井戸のたわごと

酒井軍治郎著

北方新社(1973)

紹介コメント

この本は、陸奥新報社からの依頼で新聞紙上に連載したものを1冊にまとめて上梓されたもので、副題には---地下水と共に四十余年---と記されているよ うに、著者の45年余りになる地下水研究にまつわるさまざまな思い出話が記されている。はじめにでは、学生時代にすでに地下水学を研究しようと志し、特に 誰かの指導を受けたわけでもなく、大学で講義も聞いたことが無く、独学でその道を極め、目標として「日本に地下水学会をつくること」「地下水学の学問体系 をつくること」「国際地下水学会を日本で開催すること」を掲げて、それをすべて実現するために努力され実際に実現することができたと記されている。日本の 地下水学にとって大きな役割をされたことが知れる。そんな偉大な業績を残された酒井教授の履歴書的な随筆で、どこから読まれてもよい構成となっているの で、気にいたところから読んで頂くことで何か得るものがあるのではないかと思う本である。

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