エチオピア通信4

エチオピア通信4

前回(「エチオピア通信3」)に引き続き、エチオピアからの情報をお伝えします。

エチオピアの地下水質で一番問題なのがフッ素です。エチオピアを含むアフリカの大地溝帯(リフトバレー)はフッ素の高濃度域帯と知られていますが、実際にリフトバレーからは少し離れているアディスアベバでも地下水中のフッ素は割合高めです。リフトバレー地域では問題はより深刻で、中には10mg/L近い濃度の井戸もあり、実際にリフトバレー地域出身の方で、歯が斑状歯になっているのを見か けることもあります。しかしこのような地域でも水源がほかになければ飲まないわけにはいかないのが実情で、最近やっと国際機関の協 力もあり、フッ素除去の取り組みがはじまったばかりと聞いています。ちなみに井戸だけでなく、リフトバレーの湖も総じてフッ素が高く、私がこれまでに測定した中で最もフッ素濃度が高かったのは、Besaka湖という湖で、20.2mg/Lでした。この湖には現在は廃線となっ た線路が中を通っており、風景はまるで映画千と千尋の神隠しの1シーンのようでとても綺麗なのですが、水は飲料水としては利用できず、地元の人も飲まないとのことです。

(Besaka湖の風景)

2011年秋より青年海外協力隊としてエチオピア・アジスアベバ水道局の水質分析課に在籍していた当委員会の1名が、2年の任期を無事に終了し帰国しました。4回の現地レポートを「エチオピア通信」としてお伝えしました。

執筆担当:か 

情報掲載日:2014/01/19