国内には
①「工業用水法」(1956年6月11日法律第146号)
②「建築物用地下水の採取の規制に関する法律」(通称:ビル用水法、1962年5月1日法律第100号)
の2つがあります。
①では、工業用水として地下水の利用が多い地域を政令で指定して(2003年4月現在、全国17地域)、指定地域内において地下水を採取し、これを工業用水として利用する場合、都道府県知事の許可を受けなければならないこと等が規定されています。違反者には罰則も設けられ、地盤沈下の防止等が計られています。
②では、地下水の揚水により地盤沈下が発生して被害が予測される地域を政令で指定して(2011年6月時点、4都府県の4地域)、一定規模以上の建築物用井戸について基準を定めて揚水を許可制にしています。
また法律ではありませんが、上記の法律を補完する目的で、関係閣僚会議決定を受けて、1985年4月26日に濃尾平野及び筑後・佐賀平野、1991年11月29日に関東平野北部を対象に「地盤沈下防止等対策要綱」が策定されています。これらの3地域では要綱に基づき、地下水の過剰採取の規制等により、地下水を保全するとともに、地盤沈下による湛水被害の防止及び被害の復旧等、地域の実情に応じた総合的な対策をとることが策定されています。
また、都道府県レベル、市町村レベルで地下水の保全に関する数多くの条例、要綱等が定められています。環境省の集計(2010年3月)では、26都道府県、251市町村を数えます。内容は地下水の採取に関することだけではなく、汚染防止等の対策も含めて、地域の実状にあった様々な内容が盛り込まれています。各条例等の詳細は、自治体のホームページ等を参考にして下さい。
なお、ご質問に対する回答は、あくまで回答者個人の見解です。