地表から浸透した降水には、大気中に含まれる二酸化炭素が溶存しており、また、浅い地層に堆積した主に植物起源の有機物が分解して生成した二酸化炭素が地下水に溶け込みます。このため浅層の地下水では、やや酸性(6付近)のpHを示します。
地下水が流動するとともに、二酸化炭素は砂礫と接触してナトリウムイオン等のアルカリ成分を溶かし出し、二酸化炭素は炭酸水素イオンに変化して、アルカリ性を示すようになります。このように、沖積平野の深部に帯水する年代の古い地下水では、二酸化炭素が消失してpHが上昇します。場合によっては9.0を示すこともあると思います。pHが9を超える事例は、溶存成分が比較的少ない花こう岩質の母岩から湧出する温泉水などでみられ、泉質はアルカリ性単純温泉と呼ばれ、全国各地にあります。
なお、測定する水を採取する前に十分に揚水を行わないと、配管や揚水ポンプ等の中に滞留していた水や装置等の影響を受けますので、高いpHを示す場合があります。採水する場合は、揚水後、地下水温度の時間変化などを測定し安定するまで待つことがポイントです。
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