段階揚水試験、連続揚水試験にて「水位が安定する」とはどの様な状態を考えればよいか?

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段階揚水試験と連続揚水試験とで状況が異なります。

●段階揚水試験
水位低下量は時間に依存するため、各段階の揚水時間を一律にすることで、この問題を解決すべきです。すなわち、予備揚水試験の結果、概略の限界揚水量を推定できた場合は、それ以下の揚水量で4~6段階、それ以上の揚水量で2段階程度を設定します。ここで各段階の揚水時間ですが、1~2時間程度とするのが一般的です。

●連続揚水試験
水位安定を見極めるのは困難な場合が多いため、以下のパターンになったかどうかで、試験終了の目安とすればよいと考えます。
①被圧帯水層で上下に信頼できる難透水層がある場合は、試験中に非平衡解析を行い、時間―水頭低下曲線が理論曲線に一致していると判断できたとき。
②漏水性帯水層では、長時間経過すると理論上水位が一定になる。したがって、この場合も試験途中で漏水解析を行い、理論曲線と一致していると判断できたとき。
③不圧帯水層では、遅れ重力排水の影響で、ある時間経過すると見かけ上水位がほぼ一定となり、その後、再び水位が低下し始める。その水位低下曲線はタイスの標準曲線に従って変化することから、この曲線に一致していると判断できるとき。

上記の内容は関東地質調査業協会発行の「現場技術者のための地質調査技術マニュアル」から引用しています。

なお、ご質問に対する回答は、あくまで回答者個人の見解です。

 

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