放射能汚染の地下水への影響については、このページでも紹介していますが、実際にご利用の地下水を採水して放射能を測定することが一番確かです。ここでは一般的ですが、次のようなことが言えると思います。
土の粒子に強く吸着される(くっつく)セシウムに比べて、ヨウ素は雨水と共に土の中に浸透してゆきますが、その速度は、大きな穴でも無い限り一年に数十cmから数mの速度です。半減期(放射性崩壊で量が半分に減る時間)が8日と短いヨウ素は浸透中に崩壊することから、地下水がヨウ素に汚染される可能性も極めて低いと考えられます。例えば地下水位(ストレーナ深度)が深さ10mであれば、汚染されている可能性は低いと思われます。ただし、地下水位が高く地表近まであるような場合や、蓋やカバー等の無い井戸で大気から直接放射性物質の降下・混入が考えられる場合、また近くに地表水が直接地下に入ってしまうような人工構造物(例えば、浸透ます等)がある場合には、放射性物質が地下水に入っている危険があります。
新設井戸の深度という観点で考えると、確かに深いところにある地下水は浅いところにある地下水より安全です。しかし、岩盤より浅く掘る予定であれば、水は浅い部分と深い部分でつながっていますので、沢山揚水すれば上部の水を深部に引き込むことになり、確実により安全とはいえません。また、掘削工事の際に放射性物質で汚染されている地表近くの土が地下に入り込むようなことがあると、却って地下の地層や地下水を汚染させてしまう可能性があるので、注意深く工事を行う必要があります。
なお、ご質問に対する回答は、あくまで回答者個人の見解です。