地下水の塩水化問題で、塩分濃度が上昇して最終的に海水濃度に至ることはありますか?

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沿岸域では、内陸部と同様、一般に地下水は淡水です。しかし海岸線に近づくにつれて塩分を多く含むようになります。それは海岸付近の地下では、海水が(拡散や潮汐の影響などによって)陸側の淡水地下水と混合しているためです。
さて、沿岸域に存在する井戸から揚水を行うと、揚水している井戸に向かって周囲の地下水が流れ込んできます。そのため長時間揚水すると海水が混ざった地下水も引き込むようになり、それが井戸に到達すると地下水の塩水化が顕在化します。極端なケース(例えば井戸が海岸線のごく近傍にあり、そこから大量の揚水を長時間に亘り行なった場合)などは、引き込む地下水のほとんどが塩水(海水)になってしまう場合もあるでしょう。
地下水が汽水化していた地域は、かつては島嶼や沿岸域の工業地帯など日本全国に存在していましたが、現在は揚水規制により沈静化しつつあります。
参考として、淡水レンズ(ガイベン-ヘルツベルグのレンズ)、塩水くさび、海水浸入、(揚水の)影響半径、等の用語を調べて頂くと、よりイメージがはっきりすると思います。

なお、ご質問に対する回答は、あくまで回答者個人の見解です。