水質基準の「硫黄臭」と「硫化水素臭」の違いは何ですか?

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卵の腐ったような匂いは「硫化水素臭」と表現する方が科学的にはより正確です。「硫黄臭」という表現が一般的に用いられている事を考慮して当会のFAQで用いたものです。

参照<J-Castニュースより> https://www.j-cast.com/2014/09/30217143.html

なお、地下水や河川水に溶けている硫黄を含む化合物には、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硫化水素、硫化水素イオン、硫化物イオンなど様々なものがあります。どのような形態をとるかは、水のpHなどの条件によります。火山から湧いている酸性の強い地下水中では硫化水素の割合が非常に多くなるため、その周りではいわゆる「硫黄臭」がするということになります。

ちなみに、硫化水素は体内に入ると血液中のヘモグロビンと結びつく力が非常に強いため、酸欠となり死に至ることが知られています。そのため、硫化水素の臭いには人間は非常に敏感であると言われています。

なお、ご質問に対する回答は、あくまで回答者個人の見解です。

 

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