地表付近の土壌の温度は、太陽が照りつける昼と、太陽が沈んだ夜間では大きな変化があります。同じように気温の高い夏と低い冬でも地温に大きな差があります。しかし、地中深くなるにつれて地中温度の一日の変化(昼と夜)、季節変化(夏と冬)はだんだんと小さくなります。一般的に50cmの深さで一日の変化が、10mで一年の変化がほとんどなくなると言われています。年間の温度変化がなくなる地下10mの地温は、その土地の年間平均気温と同じか、1~2℃高い温度に保たれます。地下水は地上に降った雨や雪が長い年月を経て地下深くの帯水層と呼ばれている小石や砂の間に貯まります。地下10m以下の帯水層に貯まった地下水は、夏に降った雨がしみ込んでも、冬の雪が溶けてしみ込んでも、同じ水温になります。これを井戸水としてポンプでくみ上げるため、井戸水は夏でも冬でもほぼ同じ水温になり、夏冷たく冬暖かく感じます。
日本では、地域により異なりますが、関東平野、濃尾平野、大阪平野では水温16~18℃、年間の温度差は1℃以内であることが一般的です。もちろん、深さが数mの浅い井戸では、年間の温度差の影響を受け、逆に100mを越える深い井戸では、地温の上昇により、年間の水温差はありませんが、段々と高くなります。深くなると地温(水温)が高くなるのは地球内部のマグマの影響で、地域により異なりますが、100mにつき約3度上昇します。このため、1,000mの井戸を掘ると地表の気温より30℃高くなり、水温は45℃になります。火山地帯ではない平野部に温泉が掘削され日本各地で利用されていますが、これらは1,000m以上掘削して超深層地下水を利用した温泉です。
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