水道法に基づく水質基準(2012年9月時点)では、鉄は0.3mg/L、色度は5度です。これと比較すると、鉄は3倍以上、色度は3倍の基準超過です。色度が高いのは鉄濃度が高いことに関連していると思います。ガラスのコップに入れて、上から覗くと着色が確認できると思います。この基準に照らすと「飲用不適」になります。
鉄はいわゆる有害物質ではありませんが、濃度が高いと異臭味の原因となり、ポンプで揚水した鉄分を含む地下水(井戸水)は大気中の酸素に触れるといわゆる化学反応を起こして褐色を帯びた鉄になり濁りを生じ、洗濯等では着色の原因になります。また、ポンプや温熱機器に付着して故障の原因になる場合があります。金気味を感じないと言うことですが、何度も口にして味に慣れたのではないでしょうか?水質検査では異味はなかったでしょうか? 基本的には飲用には不向きなので、雑用水に限定して使用することをお勧めします。
なお、地下水中の鉄分濃度は一般的に深度が深い下部の帯水層ほど上昇します。滞留時間の長い深層地下水は溶存酸素濃度が低下し(化学的には還元状態と呼びます)、粘土層などに含まれる鉄分が地下水に溶け出し易いことが理由です。ただし、逆に、浅層の地下水が鉄分を多く含み、下層の地下水が良好な水質の場合もあります(例:濃尾平野周辺)ので、周辺既設井戸の掘削深度、集水(スクリーン)位置など、多くの情報をもっている地域の鑿井業者にご相談することをお勧めします。
ご質問に対する回答は、あくまで回答者個人の見解です。
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