井戸の深さや地質条件などにも影響されますが、同じ地点の同じ帯水層の地下水温度は年間を通してほぼ一定と言われています。しかしながら、地下水が涵養される場所(降水が地面からしみこんで地下水となる場所)での地表気温の季節変動が、涵養される地下水の温度の年変化を生じさせて、流出地点において地下水温の季節変動がみられることがあります。例えば、夏に涵養された暖かい地下水が地下(帯水層)をゆっくりと何年もかけて移動してきて、井戸に到達したというケースです。地下水が涵養されて井戸に到達するまでの期間が1年、2年といった具合であれば、夏に温度が高め、冬に温度が低めとなりますが、地下水が涵養されて井戸に到達するまでの期間が1年半、2年半といった具合であれば、夏に温度が低め、冬に温度が高めといった具合に季節が逆になることもあります。
最近では、従来ほぼ一定と言われてきた地下水温が、近年徐々に上昇しているという報告があります。ここ15年で1~2℃上昇したそうです。涵養域の耕地面積の現象や地球温暖化が原因と推定されていますが、はっきりしたことはわかっていないようです。
(参考)
各務原市における地下水の水温および電気伝導度の経年変化について(安井・五藤,2009)
www.web-gis.jp/e-Forum/2009/101.pdf
なお、ご質問に対する回答は、あくまで回答者個人の見解です。
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