文献/事典・辞典類

文献

 文献目録に関するものとしては、多くある中で代表的なものを少しだけ紹介します。
 古いものが多く、地理関係では、戦前では東京文理科大学 東京高等師範学校内大塚地理学会により地理学関係文献目録が第1巻(昭和11年)~第3巻(昭和13年)として出版され、その中に僅かに掲載があります。戦後のものでは、三野与吉監修 地形営力談話会編:自然地理学文献目録(邦文 1940~1953)(三省堂 1956)の中に、事項別分類・地域別分類・単行本として200余りの論文と本が掲載されています。また、地理学文献目録は、人文地理学会編:地理学文献目録第1集~第11集(柳原書店~大明堂~古今書院1953-2011)として1953年~現在まで11冊が継続して出版されています。ここには1945年~2001年までの文献や本が掲載され、地下水についても「地下水」の項目で掲載されています。最新のもの(第11集)にはCD-ROM(1987-2001)も付録されています。地下水関係を中心としたものは、水文地質研究会編:地下水温泉文献目録(古今書院 1958)や経済企画庁総合開発局編集:全国地下水文献目録〔自1945(昭和20)~至1968(昭和43年)〕(大蔵省印刷局発行1968)があります。前者は昭和30年4月の日本地質学会の第61回総会にて水文地質研究会が結成され、最初の事業として出版計画されたもので、1955年(昭和30年)末までに日本人が発表した地下水及び温泉に関する研究が項目別分類と地域別分類にされ収録されています。付録として教養図書、参考図書、外国文献も数ページ掲載されています。後者は、1945年(昭和20年)~1968年(昭和43年)までに我が国の官公庁・大学・民間などの調査研究機関、ならびに学会誌・学内誌・水専門誌などの発表された地下水関係の論文や調査報告・資料などが地域別(都道府県ごと)に整理され掲載されています。この他に地下水関係だけではないが、用排水技術研究会:用排水国内文献大集(昭晃堂 1964)にも地下水関係の文献資料が掲載されています。温泉関係では、日本温泉科学会編:日本温泉文献目録(1921年-1970年)(丸善 1973)があり、昭和44年第2回温泉科学会総会で創立30周年記念事業として文献目録刊行が決まり、過去50年間の国内文献が地域別(都道府県ごと)にまとめられています。地学関係では、地質調査所編:地学文献目録〔人名別〕1945-1955(地質調査所 1957)があり、これは創立75周年記念出版物として戦後10年間の文献を人名別に整理したもので、地下水関係の研究者の文献が掲載されています。最近のものとしては、日外アソシエーツ編集:地球・自然環境の本 全情報 45/92(日外アソシエーツ 1994)があります。この本は、その後、日外アソシエーツ編集:地球・自然環境の本 全情報 1999-2003(日外アソシエーツ 2004)、日外アソシエーツ編集:地球・自然環境の本 全情報 2004-2010(日外アソシエーツ 2011)が出版され、陸水の章の中に地下水の項目があり、探査・解析・管理、日本各地の地下水などについての図書が掲載されています。この他に、古賀邦雄編集:水・河川・湖沼関係文献集(水文献研究会 1996)には、1882年(明治15年)~1994年(平成6年)の水・河川・湖沼関係の文献が掲載されており、分類として地下水(地下水・井戸・湧水・マンボ)に関する項目もありいくつかの本や文献などが掲載されています。

事典・辞典類

 地下水全般について網羅した百科事典的なものとしては、地下水ハンドブック編集委員会編:地下水ハンドブック(建設産業調査会 1979)があります。1998年には改訂版が発刊されています。1500p余りの大著ですが、地下水について何か調べる時にはとても役に立つもので座右に置きたい本です。
 また、地下水の用語については、山本荘毅責任編集:地下水学用語辞典 (古今書院 1985)と日本地下水学会編:地下水学用語集(理工図書 2011)があります。地下水に関する様々な専門用語を分かりやすく解説した内容となっています。
近年は、名水百選、平成の名水百選などの名水ブームで名水やミネラルウォーターに関する著作も増えてきています。これは、環境問題への関心の高さを反映していることも大いに関係しているのではないかと思います。地域の地下水、湧水を守る運動も盛んに行われており、このように貴重な資源である地下水について関心が高まり、きれいな地下水を維持していくことができていければ・・・と思っています。そのためにいくつかの書籍が少しでも役立つことになればと期待しています。
 上記の他に地下水関係の本は多数発刊されていますので、少し紹介させて頂きます。何かのお役に立てれば幸いです。