地下水に含まれるマンガンや鉄分は、地上から浸透したのではなく、地下水が帯水する地層に元々含まれたいたものです。地層に含まれるマンガンや鉄分の由来は様々で一概に言えません。例えば、最も考えられるケースは、地層が形成された何万年何十万年(あるいはそれ以上)の時代に海や川などの水辺に生育していた植物に由来するものです。水辺では植物が朽ちて、主な成分(有機物)は二酸化炭素に分解されますが、分解されない金属元素であるマンガンや鉄分はそのまま地層中に埋もれて濃縮されるケースです。地層中ではマンガンや鉄分は水に溶けない酸化物(サビ)として存在していますが、酸素を含まない水と接触すると帯水層に溶け出します。マンガンや鉄分を含む地下水(井戸水)は揚水後、空気と接触して酸化状態に戻り、マンガンや鉄分は不溶性の酸化物に変化し、濁りや着色を呈します。従って、井戸に鉄やマンガンを含む地下水は平野部や山間地の堆積地層(堆積岩)と接触する帯水層に多く存在すると言えます。
なお、ご質問に対する回答は、あくまで回答者個人の見解です。
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