砂防堰堤を現象面で整理すると、河川沿いに設けることによって上流から流れてくる土砂を堰き止めることになります(堆積土砂)。土砂を堰き止め続けると、砂防堰堤上流の河床が高くなると共に、高くなった河床の下を河川水が(潜り込むかのように)流れることがあります。砂防堰堤の上流で潜り込んだ河川水は、砂防堰堤でせき止められた後、砂防堰堤の下流側から再び川へ流れでる(湧き出る)ことになります。
こういった現象を想定すると、砂防堰堤の下流でわき出す水は、もともとは河川水であるという意味から地下水ではなく「河川水」と言えます。河川砂防分野では、河川水が河床に伏没した水という意味で「伏流水」と呼ぶこともあります。一方、地下水用語辞典の定義では、『地下⽔とは地表⾯より下に存在する⽔の総称』となっています。これを考えれば、「地下水」と呼べなくもありませんが、上述したとおり、どこから来た水であるか?を考慮して(長らく地下にあった水ではなく、もともとは河川を流れていた水であること)、「河川水」と考えるべきと思います。
なお、ご質問に対する回答は、あくまで回答者個人の見解です。
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