鉄を酸化し錆(サビ)を生じさせる鉄バクテリアの最適生育温度は35~40度と言われています。この水温で、鉄の酸化が促進され、これを利用した水処理技術(鉄分の除去)があります。このことから考えると、水温が低い、冬場の方が錆の発生は抑えられるようです。しかし、錆の発生は水温や水質だけでなく、「水が流れる、停滞する」、接触する管や器具の材質、形状、にも左右されるようです。鉄バクテリアが微生物であることも大きく影響しています。現場で作業されている方でも、錆の発生が「気まぐれな現象」として捉えてみえるように、このように、錆の発生は様々な要因が絡み、非常に複雑な現象だと言われています。産業用水調査会から「用水の除鉄・除マンガン処理」(高井雄ら著)が出版されています。1冊の書籍になるほど複雑な要因があるようです。名著としてこの分野では知られており、一読をお勧めします。
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