水道法の水質基準項目の一つに「臭気」があります。消毒のために塩素を添加した場合の塩素臭は除外されますが、例えば柑橘臭のようにあまり不快と思わない場合でも無臭ではないため飲用不適と見なされます。ご質問にあった硫黄臭がする井戸は、全国各地に分布しており、鉄分を含み金気臭のする井戸水と同じように「水質が悪い井戸水」として扱われています。
温泉法では、硫化水素濃度が1mg/L以上含む井戸水は「温泉」に該当します。特に、2mg/L以上の高濃度が含まれると、療養効果がある体に良い硫黄泉に分類されます。全国各地に分布して大勢の人が入浴に訪れ喜ばれています。
硫黄泉の効能は、環境省から医学的見地に基づいた以下の効能が示されています。
①入浴により、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症など皮膚病に効能があります。
②硫黄泉を飲用すると、糖尿病、高コレステロール血症の治療に効果があります。
いずれも、民間療法ではありません。
日本地下水学会には、硫化水素の健康影響に関する専門家は一人もいません。これ以上詳しく健康影響についてお知りになりたければ、労働衛生など医学関係の専門機関にお尋ね下さい。
なお、ご質問に対する回答は、あくまで回答者個人の見解です。
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