掘削深度の浅い井戸は、地上から浸透水の影響を受けやすく、また季節的に水位の変動が大きく、水質変化がみられることもあります。このため、水質検査で大腸菌が検出・不検出を繰り返す井戸もあります。また、周辺地域の土地利用の変化により地下水の流れが変わり、水質に影響を及ぼしている可能性もあります。
大腸菌は、健康な人や家畜の大腸内で生息し、糞便・下水中に含まれます。ほとんどが無害で健康に影響を及ぼすことはありませんが、腸管出血性大腸菌O157などのように、ある種の大腸菌は人に下痢、腹痛などといった病気を起こします。井戸水の病原(性)大腸菌の検査は、操作が繁雑で日数もかかるため、下痢症状の患者が発生し、原因の一つとして飲用水が疑われる時を除き通常は行いません。水質検査で大腸菌が検出された井戸は、特に乳幼児や高齢者が飲用する場合など、念のため塩素滅菌を行うことも考えられます。しかし、塩素の滴下装置は日常の維持管理が必要です。従って、生水の飲用を避けてはいかがでしょうか。
なお、ご質問に対する回答は、あくまで回答者個人の見解です。
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