鋳物師と梵鐘とまいまいず井戸の話
桜沢孝平著
武蔵野郷土史研究会(1981)
紹介コメント
著者は、東京都羽村町(現 羽村市)の羽村郷土研究会会長で、多摩の地方史の研究を長年されている方である。武蔵野台地の地下水を話題にする時には、必ず羽村の「まいまいず井戸」の ことができます。ここでは、鋳物師がこの土地に井戸を掘って定着し、鋳工を営みつつも時代の流れにより衰退していく宿命の中で、農業を行うことで離散せず に今日に至る過程が示されている。まいまいず井戸の歴史的な面の解説がされて、周辺のある同様な井戸についても写真を掲載して紹介している。
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上総掘りの民俗 民族技術論の課題
大島暁雄著
未來社(1986)
紹介コメント
著者は文化庁の文化財調査官で、ここでは庶民の生活を支える技術を常民から職人まで視野を広げ、民俗技術としての考え方に立脚して民俗技術の実態と特質に ついて上総掘りの技術を例にして、その技術の実態とその成立背景を明らかにし、民俗技術が科学技術へと移行する過程を解明している。また、技術の伝播過程 についてもその技術継承の形態を検討し、徒弟制度が重要な要素となるほかに、集団的に伝授や修得がなされる特質などを明らかにされている。民俗文化につい て考えさせられる1冊である。
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地学ワンポイント2 汚染される地下水
藤縄克之著
共立出版(1990)
紹介コメント
米シリコンバレーなど国内外で1980年代に発生したVOCs地下水汚染を機に刊行された地下水と汚染の基本を紹介する解説書である。刊行から時間は経過 したが、3~4章は地下水の基本を学ぶ上で、「6.3地下水の水質管理をめぐって」は未来の地下水資源を展望する上で、現在も通用する内容となっている。 当時の社会的な関心事であったVOCsに限定されず重金属、農薬、放射性物質や、身近な酸性雨、し尿浄化槽といったものまで汚染源を総括的に取り上げてい る。汚染を発生させず永続的な保全を実現するためにも、単なる過去事例としてのみならず、未来へ継承すべき教訓として捉えることができる。汚染とは無縁で も、地下水を取り巻く各項目の概要が包括的に紹介されているので、非常に理解しやすい。
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「水みちを探る—井戸と湧泉と地下水の保全のために」
水みち研究会編
けやき出版(1992)
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A5判でp.69の冊子であるが、図や写真を用いてわかりやすく地下水について解説がされている。翌年に第2刷が増刷されているところを見ると広く普及した本である。
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NHKBOOKS 651 地下水の世界
榧根 勇著
日本放送出版協会(1992)
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著者は筑波大学(旧:東京教育大学)にて地下水を含めた水文学について長年研究をされ、この本では自身が関わられた地下水調査の事例を盛り込みながら、地 下水に関する世界観から一般的な地下水の観察から理解する方法や関連する話題が記述され、さらに地下水問題から環境問題を考えさせられる構成にもなってい て、読みやすく地下水を知るには最適の本である。
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多摩の湧水めぐり(けやきブックレット6)
百瀬千秋著
けやき出版(1992)
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東京・多摩地区には現在でも数多くの湧水が残されている。そんな数多くの湧水の中から18箇所を厳選し、各湧水の由来やお寺、公園等の周辺施設についても 紹介されている。手書きの案内図の他アクセス情報についても細かく記載されているので、散策には手ごろなガイドブックとなる一冊である。
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沖縄の水の文化誌 井戸再発見 くばのはゆブックス 2
長嶺 操著
ボーダーインク(1992)
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本書は、著者が約10年の時間をかけて本島から離島までの多くの井戸を踏査した結果を琉球新報に30回にわたり連載した記事「水の文化誌-沖縄の井戸再発 見-」をまとめたものである。沖縄全域にわたり150箇所もの井戸の写真と名前の由来、構造、歴史などが記載されている。地下水利用の歴史や、沖縄の歴史 など、学術的にも大変貴重な資料であるとともに、沖縄の井戸巡りをする際には必携の図書である。
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やさしい地下水の話
地下水を守る会著
北斗出版(1993)
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著者の「地下水を守る会」は1986年2月に発足した団体で、東京多摩地域全体の地下水を守るための活動をしている。この本は、「地下水の素晴らしさや問 題解決方法をわかりやすく伝えることができないものか」という声をうけて作成した「地下水百科」という小冊子を更に詳しくしたものである。地下水をトータ ルにやさしく説明した本で、市民がどのように地下水につきあえばよいのか、地下水汚染はどうあるべきか、法律はどう整備していくべきかなどについてわかり やすく書かれている好著である。
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名水を科学する
日本地下水学会編
技報堂出版(1994)
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日本地下水学会誌(現・公益社団法人日本地下水学会)に掲載された訪問記「名水を訪ねて」を編集したものであり、1985年に環境庁により定められた「名 水百選」のうち43地点を紹介している。本著ではそれぞれの名水が飲用可であるか飲用不可であるか、あるいは「おいしい」「おいしくない」という評価づけ をおこなっているのではなく、水文地質学の専門家からみた名水の特徴について簡潔にまとめている。
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建築実務に役立つ地下水の話
山本荘毅監修
建築技術(1994)
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この本は、実務を行う中で地下水の恐ろしさ、怖さ、苦い経験を味わったことが多い人々が集まって、二度とこのようなことをさせないために、作成された実務 者向けの解説書である。多くの現場経験を踏まえた事例が盛り込まれ、かつ初心者・現場向きの本をめざし、応用の利かない数式や難解な数式は不必要であると して、現場に何か必要としているのかを考えて分かりやすく記載されている。地下水の基礎知識や基礎理論などについての解説もあり、地下水について知りたい 初心者の方にも理解ができるように構成されている。さらに、実務においての建築物と地下水の関係や地下水に関わる色々な問題に対する調査設計から処理・対 策についても記載され、実務者にとっての最適の参考書となっている。
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